web版アニメ批評ドゥルガ

『十二国記』のアニメについて

huluで先日公開されたアニメ『十二国記』を見ました。

 

 

いわゆる異世界もので、基本的なテンプレを抑えながら、綿密に計画された世界観で、深刻な人間関係を描いています。主人公の陽子の自分と他者、自分と国家との葛藤が一本の筋として描かれ、その合間に麒麟という複雑な運命を背負わされた存在や、亡国の姫、半獣、異世界人の海客たち、市井の人々の生活に視点を移し、重厚で説得力のある物語でした。

 

そんな全四十五話で語られた物語は主人公、陽子の初勅というクライマックスでは終わらず、続く章の内乱に話を変え、少し蛇足気味に終わってしまいました。放送期間は2002年から2003年と、凡そ15年前。そのため現在の軍記物(とは若干違うかもしれませんが)のタッチとは異なり、彩色も濃く、モブがCGではなく、動きが重い印象があります。

90年代から2000年代にかけてこのように原作の途中まで作られたアニメはたくさんありますが、現在の技術で続編を作るとしたら、どんなものが作れるのか興味があります。

軍記物としては2006年の『うたわれるもの』の時点でもモブはCGになっていました。その頃はかなりCGが浮いているように見えましたが、現在のCGはゲームの発展の影響か、アイドルもの、プリキュアなどの東映アニメを中心に主要なキャラクターを違和感なく動かしているようです。例えば『けものフレンズ』などもその潮流にいるのだと思います。今季2017年春の『月がきれい』にはCGが多用されていました。

 

私はなるべくなら2000年代初頭のタッチを持ったまま二期を作って欲しいです。キャラクターデザインの線が太く、骨太で、土気色の雰囲気があり、重いテーマを持った物語の内容に合致しています。しかし常態化した深夜アニメブームの中ではそうもいかないのだろうというのもあります。おそらく『十二国記』も二期はないでしょう。2000年代からの続編、例えば『地獄少女』や『フルメタルパニック』のような作品がもっと出れば良いな、と思う次第です。

 

十二国記』は原作も完結していませんから、完結した際には是非、完結篇をアニメで見たいですね。

 

*アニメ的に面白いのは序盤で主人公の顔が変わったと認識されるところ(実際には目の色が緑になり、肌が少し暗くなるくらい)と、日本語ではない言葉というのを前提に日本語で話すところではないでしょうか。

(鯵)