web版アニメ批評ドゥルガ

秋文フリと日常系について

水曜日の定期更新を始めて九週目になります。

このブログはアニメ批評同人誌ドゥルガという零細サークルのweb版で、今回は私たちの本誌二号の話と日常系アニメについて書きます。

前回の『ドゥルガ』は製本をしていないフリーペーパーでしたが、今回はきちんと印刷所に出し、それなりに質を上げたいと思います。ブースは『二人称 東京 彷徨』製作委員会(新興文芸サークル pabulum)と同じ場所になります。

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魔法少女・日常系アニメ」という緩い特集ですが、例えば『魔法少女まどか☆マギカ』のキャラクターデザインの蒼樹うめは『まんがタイムきらら』という日常系を担う雑誌に書いている方だそうで(先日サークル員から聞いたのですが)魔法と日常という一見すると対義語のように見える二つの要素が『ドゥルガ』のなかでどのように捉えられるのか私自身興味があります。

日常系とは構造が決定的に変化してしまうことのない物語だけで構成される作品を指すように思われます。言い換えれば決定的な変化は終わりに向けて起こります。

たとえば『WORKING!!』はその点で戦略的な漫画です。すこし込み入った話ですが簡略的に考えてみます。

現代はあらゆる物が交換可能な商品になっています。労働者もその対象で交換可能な商品です。つまりアルバイトというのは誰でもいいわけです。しかし登場人物が誰でもいいのでは作品になりません。その為『WORKING!!』ではファミリーレストランのなかでキャラクター同士が関係を持ちます。関係を持つことによってキャラクターは互いに交換不可能な固有名詞を得ます。キャラクターが交換可能な商品であるのと交換不可能な固有名詞を持つこと、この二つの条件が日常系には必要です。固有名を持つというのは比喩ですが、つまり決定的な変化が起きにくい基盤を作るという意味では日常系の条件をひとまずクリアします。しかし完全に変化が起きない物語などありません。関係が絶対化(たとえば恋人になるだとか)してしまうと物語が硬直し、終わってしまいます。そのために交換可能な商品という条件が必要です。『WORKING!!』にはそのような「関係を進めない関係」として職場の同僚を選んでいます。こちらが日常を担い、交換不可能な関係は恋愛関係であり、それが作品の終わりに向かう決定的な変化になるわけです。

もちろんこれは学園ものでも同じです。『みなみけ』において保坂は南春香と絶対的な関係を築きたいと思いながらも、「関係を進めない関係」である速水やマキ、アツコと関わることで決定的な変化を迂回します。彼らが同じバレー部に所属していて同僚といえるのは類似していると思います。

恋愛ものの多くは三角関係に巻き込まれたり、恋人の絡みばかりになってしまうことが多い気がします。ですが日常系はそのどちらにも属さない関係を描く点で恋愛ものとはかなり違います。最近の女性のキャラクターしか固有名を持たない作品はこの点で先鋭的なのでしょうか。

 

私がこの夏に見たいのは

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー

日常系と魔法少女に示唆的な作品だと思います。見返したいと思います。

Air

奇跡=魔法という観点を抜きに夏なので見返したいです。

ARIA

日常系と夏って感じです。

 

ですかね。他にも『まんがタイムきらら』系列の作品も見たいと思います。