web版アニメ批評ドゥルガ

「声」を題材にしたアニメ。

声をテーマにしたアニメ作品というと何を思い浮かべるでしょうか。昨年なら京都アニメーションの『聲の形』、一昨年ならA-1 Picturesの『心が叫びたがってるんだ。』が声を扱った代表的な作品だと思います。この二作品はどちらも壁にぶつかりながら声=気持ちを伝えるジュブナイルアニメで、高校時代を主に描いています。その壁は聴覚の問題という身体的な問題、過去のトラウマといった心的な問題、自己を理解してくれない他者といった外的問題など様々な形をとります。そしてその壁を乗り越える手段に記号=言葉が現れます『聲の形』ならば手話と筆談で、『心が叫びたがってるんだ。』ならばメールで彼らはコミュニケーションを試みます。

聲の形』ではもう少し複雑で石田将也がつける✖︎マークという記号は視覚と同時に冒頭の彼が耳を手で覆うのをラストでやめ、他者の声が入ってくるシーンで聴覚に関わることになりますし、西宮硝子の演技や西宮結弦の写真など「声」だけを問題にはできない作品です。

では2017年の「声」を題材にした作品は『きみの声をとどけたい』でしょう。

湘南の中学生たちがミニFMというラジオを放送する物語なのですが、登場人物のひとり行合なぎさは声が形と色をもって見えるのですが、それは球状に表現されています。「声」の問題は「歌」を導入して(これは『心がさけびたがってるんだ』でも同じです)歌声と演技の声が重なるときに声がとどくことになります。そのとき、球状に表現された「声」は他者に、共有されます。また先日とりあげた『打ち上げ花火』のように中学生のキャラクターが主に描れていて同じように境遇を大人に左右されています。

こうした「声」を題材にした作品はオリジナルアニメに増えてきている気がします。『聲の形』は漫画原作ですから実際アニメの表現はテーマに十分かなうとは言えないと思います。それは漫画だからこそできることをしているからであってアニメという媒体自体の問題だと思いました。

心が叫びたがってるんだ。』に関しては↓でdurga1907.hatenablog.com

 

 『聲の形』はまだアニメだけで漫画を読んでいないので次の機会にもう少し長く書こうと思います