web版アニメ批評ドゥルガ

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アニメに纏わる記事を書いています。定期更新は毎週水曜日。毎週担当者が異なります。

二〇一七年の秋クール。

秋クールが始まってからもう三週間くらいが経ちました。その時間のあいだに秋文フリの最終稿~校正が終り、現在は取り纏めに入りました。予定ではちょうど来週のこの日には印刷所に入稿されていることでしょう。全三本で、合計三万字ちょっと、価格は200円です。気軽に試し読みしてください。11月23日(木)東京流通センターにて頒布しています。取り扱っているのは『魔法少女まどか☆マギカ』と『ひだまりスケッチ』、『NEW GAME!』と『冴えない彼女の育てかた』、『たまゆら』の六作品になります。興味のある方はぜひ。

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↑表紙はこんな感じ。

宣伝はこれまでにして、秋クールで私が見ている作品を独断で書いていこうと思います。あくまで私的独断ですので、批評っぽくはならないでしょうが……。

並び順にとくに意味はありません。こう並べてみると大して見てないですね。

キノの旅 the Beautiful World

www.kinonotabi-anime.com

いまのところ三話まで見たんですが、バイクのCG凄いですね。一話冒頭の芝生に入ってくる角度にかなり驚きました。『ポッピンQ』を見たときも思いましたが、今後はCGを上手く扱って二次元絵に導入出来て、「まあ普通かなあ」というような評価になるのでしょうね……。以前見た『打ち上げ花火』の冒頭に現れる自転車のCGが酷評だったのを思い出さずにはいられないくらい圧倒的なディテールの細かさと大胆な運動が、あのエルメスにはありますね。関係ないですが、一話の最後の方でエルメスを盾にするシーンが好きです。身体の小ささを活かす、という戦略的な面白さもあるのかもしれませんが、旅慣れている者と、いかにもゴロツキで野暮な奴との対比とでもいうんでしょうか。

あと主人公キノの声は絶妙だと思いました。中性的で、詩的な意味での「少年」という感じがします。悠木碧さんは前のクールで『サクラダリセット』と『アホガール』という作品で、どちらも主要キャラクターをやってますし、前々のクールでは『幼女戦記』をやってました。『アホガール』以外はKADOKAWAで、KADOKAWAでの出演率がとても高い気がします。役柄の幅が広いということなんでしょうか。音響監督ならまだしも、スポンサーによって演技が変わるとはあまり思えませんが。個人的には『聲の形』西宮結弦の演技が好きです。そういえば、この子もボーイッシュなキャラクターだなあ。

僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件

majimesugiru-anime.jp

それでこれもKADOKAWA悠木碧の組み合わせですね。演技が全く異なっていて驚きますが、「僕の(俺のor私の)~」シリーズですね。2chスレタイ(スレッドタイトルの略)みたいなタイトルですが、疑似的三角関係?によって物語を進めようとしている感じなんですかね。とうの物語は終わっていて、ボーイミーツガールの時点で恋仲になっているわけですが、そこに第三者が疑似的に不倫関係になることで継続させるということなのでしょうか。言ってみれば日常系の一種ですよね。

俺の妹がこんなに可愛いわけがない。』とか『僕は友達が少ない』とか『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』とか、一人称を前景化したタイトルで、このいずれもライトノベルで一人称です。そのためにアニメ化した際に色々な問題がでてくるわけですが、この作品に関して言えば角川コミック・エース連載であって、つまり漫画なんですね。漫画に一人称があるのか、というのは本当に門外漢なので私にはわかりませんが、基本的に文字によって構成されて、絵がそれに従属しているというメディア=ライトノベルにおける一人称とは違うと思います。そこらへんはどうなのかちょっと興味があります。

しかし「しょびっち」って何なんでしょうか。処女ビッチであってるんですかね。ナボコフの『ロリータ』みたいなことですか?

妹さえいればいい。

imotosae.com

また凄いタイトルですが、こっちは『僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件』とは反対に、まさかの「妹」が不在なんですね。不在の「妹」を書くライトノベル作家の主人公の物語なわけですが、なんだかフランス現代文学ちっくですね。

これが絵を描く行為に変わると『この美術部には問題がある!』のようにもっと込み入った話になるのでしょうが、この作品ではどうなるのでしょうか。まだわかりませんが、タイトルの「さえ」はかなり利いてますよね。哀切さえが滾るのに、「妹」の一語で「オタク」的な想像力(データベースといってもいいかもしれませんが)に回収されて妙な面白さが生まれています。不在の問題を扱うのにギャグというのは『冴えない彼女の育てかた』もそうですが、端的にウケるのではないかと思います。

魔法使いの嫁

mahoyome.jp

↑音が鳴るかもしれません

これも凄いタイトルだなあ、とちょっと思いました。奥様は魔女が思い浮かびますよね。多分漫画の時点でも相当言われている気もしますが。嫁っていうと「舅か、お前は!」って感じになりますが、ほんとうに舅のような夫が現れました。ロンドンですし、ハリーポッターとか、いま人気のFateシリーズとか、いろいろ意識されて見られるのでしょう。あと『赤髪の白雪姫』に主人公が似ていますね。

一話の妖精(CV斎藤千和)がそのまま退場(のちに出てくるのだろうか)したときは、ああ援助者→敵対者の役割かと脳内グレマスが駆動しましたが、おおむね美しい背景と凝った造形の魔法生物を見ていて癒されます。

クジラの子らは砂上に歌う

TVアニメ「クジラの子らは砂上に歌う」公式サイト |

ひきつづき背景とキャラデザが良いアニメです。世界観としてはなんとなく『新世界より』を想起した人も多いのではないかと思いました。ファンタジー系ディストピアみたいな。『サイコパス』などの近未来SFのディストピアものとの違いとか考えるのも面白いのかもしれません。

全体的に中性的な感じがします。『宝石の国』もそうですが、最近はジェンダーレス的なキャラ造形が流行っているのかもしれません。主人公の男の子(CV花江夏樹)や緑色の髪の青年(CV島﨑信長)は本当に女性で転用されていてもわからないのではないでしょうか。

記録をとること=書き残すことが作品内で重要だそうですから、現代思想界隈のひとはとっつきやすいのかもしれませんね。

 Just Because!

justbecause.jp

青春ですよ、青春。『月がきれい』のような雰囲気がありますよね。静かな世界観で、終わっていく学校生活、進路、恋愛、逡巡、みたいな。描写も良いですし、今期イチ押しの方も多いのではないかと思います。

www.nicovideo.jp

ニコニコで現在最新話と一話無料で公開中なので、貼っておきます。13:50あたりからのモノレール、とても良いですね。二人の頭上を過ぎ去っていく車体と、経過に合わせて増えていく通行人。そんなに派手なことをしていなくても見せ方によっていろいろな表現ができるという実例のような場面ですね。

 食戟のソーマ 餐の皿

shokugekinosoma.com

一期、二期も見ているので継続です。ジャンプ漫画でも三期までやるのは、そんなにないんですかね? ジャンプを購読していた時期が短すぎてわかりませんが。

前話に出て来た敵キャラクターたちが仲間になって再登場するのはジャンプ漫画の黄金法則=弁証法のなせる業ですが、スタジエールや合宿で外に出ることはあるとはいえ、学園ものを維持しているのは凄いですね。おそらく料理対決というのが利いていて、○○料理というのは、此処にいながら異国の料理が食べられるからなのでしょう。家のなかでも世界を旅した気になれる、そういう料理が主人公の父親がつくる料理なのはそういう意味なのかな、と思ったりしています。疎外論とは逆ですね。

 

 

あと『ネト充のススメ』も見てます。

TVアニメ「ネト充のススメ」公式サイト

OPとてもいいですね。原画とキャラメイクという、現実虚構両方でキャラクターを作っていく過程で始まっていて。

 

こんな感じです。次回の更新を担当するのがまた一か月後くらいですから、このなかのどれかで書くことになると思います。どうなることやら……。

ぜひおすすめの作品があったら教えてください! 劇場版では何か月も前に買った前売りで『Fate HF』を見に行く予定です。『新感染』の監督のつくった『我は神なり』も先日キネマ旬報のレビューを見たので行ってみたいと思います。